2013年9月12日木曜日

第一回☆オバチャーン その2

カラスも装着され、目の前でちゃくちゃくと立派なトントになってゆくオバチャーンであるはずの7人を茫然と見つめながら、
完全にビビっていたそのとき。

「東京から来てくれたん?」
話しかけてくれたのは、パープルの藤本さんだった。


オバチャーンでは”セクシー担当”の藤本さん。
峰不二子ばりのナイスバディだが、
なんだかそれよりもセクシーな気がしてしまうのは
このゆったりとひとを惹きつける笑顔である。

「20歳からずっとママやってたんよ。」
その藤本さんの一言を聞いて、わたしは深く納得する。
この”受け止めてくれそう感”は、長いママ歴から来るものか。

大阪堺市にあるカラオケ喫茶”チャンスの神様”。
藤本さんは、オバチャーンをやると同時に、大阪堺で2店舗経営する”ママ”である。

 「ずっとママやってたからお店から出たことなくてずっと枠の中にいたんやな。
 39歳で芸能界入って、はじめて外の世界に出て大変やった。
 出る杭は打たれるってことを知った。」

芸能界に入り、初めてミュージカルで主演をもらったときに
うれしいと同時に、そこではじめて”嫉妬”というものを知る。
嫌がらせをされたり、いやな思いをしたこともあったという。

「でも、そこで強さを教えてもらって今があんねん。」

味方のいないところから始まったものの無事に成功したミュージカルは
藤本さんのなかで強い武器になっている。
”枠の中”から出たからこそ、知れた世界がある。
強くなれたからこそ、今いる世界は楽しい。
藤本さんはそう言った。

「オバチャーンやってるとな、お悩み相談とかイベントでさしてもらうんやけど。
 そこで若い子とかが結構来て、相談してくれんねん。
 話聞いてて、自分の心が表現できない若者が多いと思う。」

一番多いのは不倫のはなしだそうだ。
「おかしい」ことを隠さず、「おかしい」といえる。
わたしたちがオバチャンやからそれが言える、と笑う。

「あたしの人生、いろいろあるけどみんなが話を聞いてくれるから。
 それでみんなも喋るしな。そういう人が、1人でもおったらええ」

若い子らも、そういう人を作って
心を表現することを知ってほしい。
そしたら、もっと前向きになれる。

「前向きな人生がええよ。ぱっと思ったらやってみんねん」

そういう藤本さんは、最近新しくドラムを始めて練習中だという。
ヒョウ柄の戦闘服を身にまとう”セクシー担当”。

枠の外に出て、彼女は今日も挑み続ける。







つづく。

チャンスの神様・初芝店
〒599-8103 大阪府堺市東区菩提町5丁−1146
072-286-0959
初芝駅からは頑張って歩けば10分くらい

ぜひ皆様大阪に訪れた際はチャンスの神様へ!!

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